2017年6月12日
脳梗塞の後遺症で麻痺のあった人がフルマラソンを完走した、と聞いて驚く人は多いのではないだろうか。まして一般男性のフルマラソン平均時間である4時間半⋆を上回る4時間切り(マラソン用語でSUB4=サブフォー)に挑戦するというと無謀なチャレンジのように聞こえるかもしれない。埼玉県在住の千葉豊(39歳)はこのチャレンジを通して同じ病気の後遺症に悩む方々の希望となればと考え、また賛同したリハビリ医、理学療法士(リハビリ専門家)、ランニングコーチ、栄養士らとフルマラソン4時間切りを目指してトレーニングしていき、その模様を公表していく「B-SUB4 PROJECT」を発足した。 ※(株)アールビーズ『ランニングデータ2014』より
B-SUB4メンバーと千葉(右から2番目)
千葉は、約4年前に34歳で脳梗塞を発症し、右半身(顔・手・足)に麻痺が残った。その後、懸命なリハビリに励む中で、「脳梗塞で失った身体の自由の代わりにこれからの人生で別の何かを得ていこう」と考え、マラソンへチャレンジすることを決めた。トレーニングとリハビリを両立しながら続け徐々に走れる距離を増やし、何度かの挫折を経て最終的には昨年フルマラソンを完走した。マラソンという生きがいを見出した自身の経験から、「自分もがんばればできるかもしれない」という希望を同じように障がいを抱える方に伝えたいと思うようになった。
一方、本プロジェクトの発起人である株式会社ワイズの代表早見泰弘は、同社が運営する自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリセンター」の利用者から、脳卒中の後遺症に関する悩みや身体が動かないことで希望を失い落ち込んだ経験、目標をもってリハビリに励むことで生活を取り戻した喜びの声などを重ね重ね聞いていた。あきらめずチャレンジをつづける千葉をサポートし、その姿を一人でも多くの人に伝えるためのチームメンバーを集めた。
「B-SUB4 PROJECT」に参加するのは、リハビリ医、理学療法士、ランニングコーチ、管理栄養士などの専門家ら。それぞれの専門を生かしたリハビリ・トレーニングメニューを作成する。広報をサポートするプロジェクト事務局はワイズ内に設置。
今後は、公開練習や大会への参加、プロジェクトにより得られた知見の学会発表及び講演会を開催していき、その模様を本日(6月12日)公開するホームページ「B-SUB4 PROJECT (https://sub4-project.com) 」及びSNSで情報発信をしていく。また、活動サポーターも随時募集していく。
レース参加 | 7月2日(日) | 第23回所沢8時間耐久レース |
---|---|---|
学会発表 | 7月16日(日) 10:55~11:10 |
日本スポーツ産業学会 立教大学池袋キャンパス(会場3) 演題 『(仮)スポーツを志す脳梗塞後遺症者に対してのサポートプログラムの検討』 |
プロジェクト名は、マラソン用語で4時間をきってフルマラソン完走することを指す「SUB4」に、脳の病気からの生還をイメージするBrainを冠して名付けた。
本件の取材及びお問合せ先
B-SUB4 PROJECT事務局(株式会社ワイズ内) 担当:井堂(いどう)・竹田
TEL:03-5542-0785
ホームページ https://sub4-project.com/